電磁波(光や電波などの総称)の中でエネルギーの高いもの、及び高速で飛ぶ粒子(電子など)の流れを「放射線」といいます。前者にはガンマ線(γ線)やエックス線(X線)があり、後者にはアルファ線(α線)、ベータ線(β線)や中性子線などがあります。

放射線のエネルギーがどれだけ物質に吸収されたかを表す単位として、「Gy(グレイ)」が用いられます。

また、放射線は、起源より「自然放射線」「人工放射線」に大別されます。

前者には、宇宙線や地球誕生以来存在する天然放射性物質からの放射線が、後者には、原子力発電所や核実験などにより生じた人工放射性物質からの放射線、産業用の検査機器から放出される放射線などがあります。
「放射線」を放出する能力のことを「放射能」といい、この能力を持っている物質を「放射性物質」といいます。放射性物質では原子核がエネルギー的に不安定な状態にあり、余分なエネルギーを放射線として放出し、安定な状態に変わろうとします(壊変)。

放射能の強さは「Bq(ベクレル)」という単位で表します。1秒間あたり1個の原子核が壊変するとき、放射能が1Bq(ベクレル)であるといいます。
環境における「放射線」「放射性物質の濃度」を 定期的または連続的に測定監視することをいいます。

原子力施設周辺の「環境放射線モニタリング」 を行うことによって、施設からの周辺住民や環境への影響を評価することができます。

青森県においても、原子力施設の周辺住民等の健康と安全を守るため、環境における原子力施設に起因する放射性物質または放射線による周辺住民等の「線量」が、年線量限度1mSv(ミリシーベルト)を十分下回っていることの確認を目的として実施しています。

また、放射性物質若しくは放射線の異常な放出又はそのおそれがある場合に実施する環境放射線モニタリングのことを「緊急時モニタリング」といいます。
空間を飛びかっている放射線のことで、宇宙から降りそそいでくる放射線や大地や大気からの放射線などがあります。「空間放射線」を連続測定することにより、施設から環境への影響があった場合、 速やかに検知することができます。空間放射線はMP(モニタリングポストのことで、空間のガンマ線量を連続して測定する設備)等で測定します。

また、1時間あたりの空間放射線の量を「空間放射線量率」といい、単位としては通常「nGy/h(ナノグレイ毎時)」 が用いられます。

ふだん測定されているのは主に大地などからの放射線で、地質の違いなどにより地域で差があります。また、同じ場所で あっても、気象条件などにより変動しています。

空間放射線量率の測定値は、通常数十nGy/h程度です。ただし、雨や雪が降ると一時的に上昇して 100nGy/h 程度になったり、雪が積もることにより大地からの放射線がさえぎられ10nGy/h 以下になることがあります。

なお、本アプリでは、空間放射線量率を「1Gy/h(グレイ毎時)=1Sv/h(シーベルト毎時)」に換算して表示しています(例えば、MPで25nGy/h=25nSv/hと表示)。
人体が受けた放射線の量を、放射線が人体に与える影響の大小を考慮して数値に表したものを線量といい、単位としては「Sv(シーベルト)」が用いられます。

体の組織によって放射線の影響が異なるので、それを考慮して、各組織が受けた放射線の量を、全身に受けた場合に どのくらいになるかを表したものを「実効線量」といいます。私たちは、日常生活をする中で知らず知らずのうちに宇宙や大地からの自然放射線や食物や空気中のラドンなどから年間で約2.1mSv(ミリシーベルト)の被ばくをしています。また、胸のX線検査を1回受けた場合の実効線量は、約0.06mSv(ミリシーベルト)程度と言われています。
(出典:国連科学委員会(UNSCEAR)2008年報告 他)
k(キロ)=1,000(千倍)
m(ミリ)=1/1,000(千分の一)
μ(マイクロ)=1/1,000,000(百万分の一)
n(ナノ)=1/1,000,000,000(十億分の一)
(例 1mSv=1,000μSv、1μGy =1,000nGy)